stand.fmが最近、アップデートをしない3つの理由

音声配信アプリ大手のstand.fm。最近、アップデートなど機能追加の大きな動きがあまりないと思いませんか?そこで調べてみますと、さまざまな仮説が思いつきましたのでまとめます。すると調べていく上で、音声配信プラットフォームに限った話ではなく、クリエイターエコノミー全般の課題も見えてきました。
カグア! 2023.11.23
誰でも

おはようございます。

クリエイターやインフルエンサーの未来について語る部屋、クリエイターエコノミーニュースです。パーソナリティーのカグアです。

stand.fmですが、最近あまりアップデートや、あとランキングなどのイベントもあまりありませんよね。では、なぜstand.fmが最近アップデートなどの情報を発信しないのかということについて、見つけた情報から考察をしていこうと思います。

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stand.fm、誰でも音声をAIに変換できる新サービス「AIVoiceSpeaker」をリリース|株式会社stand.fmのプレスリリース

stand.fmが、誰でも音声をAIに変換できる新サービス、AIボイススピーカーを9月にリリースしました。ただこちらは、stand.fmの機能としてではなくて、独立した1サービスとして立ち上げたものです。

人間の声をAIのボイスに変換するとか、あとは、将来的には翻訳して翻訳したものをそのボイスにして商用化なんかで使うというようなことを想定しているようなのです。

さらには、エンタープライズ向けのプランまで用意されていて、価格も要お問い合わせ、といった感じの設定まで書いてあり、かなり法人向けを意識した建付けの事業になっています。そしてさらには、オリジナルでAIのボイスを作れるとのこと(これが15万円)

ですので、なぜ最近stand.fmがアップデートを配信しなくなったかというところでは、このような法人向けのサービスに開発などのリソースを配分するようになったのではないか?という仮説が考えられます。

2回ほど資金調達をしているstand.fm ですが、さすがに例えば、何人かメンバーシップでいくら使ってくれた、投げ銭をしてくれた、などといった手数料ビジネスも、劇的に収益が増えるわけではないので、路線転換を迫られているのではないかと思うのですよね。

いっぽうで、法人向けのサービスで1件契約できれば、15万円ドーンと入ってくるわけです。それはやっぱりstand.fm も企業ですので、実入りの良い方に社内の人とかリソースを削くっていうのは当然かと。

もちろん今回たまたま、こういうサービス出しただけじゃないのと思えるかもしれませんが、裏付ける動きもあります。例えばstand.fm の公式サイトで、コーポレートサイトがあり、そこで、この AI ボイススピーカーというサービスは、音声配信のstand.fm と同じくらいの面積で、並記して書いてあるのですよね。これ以前はありませんでした。stand.fm という音声配信プラットフォームと同じぐらいのプロダクトとして位置づけている、ということの表れではないでしょうか。

そして商標登録。

特許庁ではいろんな企業の商標を調べられますが、stand.fm で検索しますと、今年の10月11日にボイススピーカー AI これ商標登録を出願しているのです。stand.fm というもともとのアプリの名称も商標登録はしてあるのですが、としますと、今回のこのサービスも登録してあるっていうことは、やはり同じぐらいの規模感のサービスとして考えているということの、現れなのではないでしょうか。

個人向けのサービスより法人向け、より利益率の良い利幅の良いサービスに、リソースを最適化しはじめているので、stand.fmのほうのアップデートが減っているのではないか、という仮説です。

***

では二つ目。

スタートアップサーチというサイトがあります。そこは国内の有望なスタートアップを発掘できるデータベースです。いわゆるスタートアップの会社のいろんな情報、公開されている情報が見られるのです。

スタートアップ企業は、いろんなところから資金調達をしたりとか、どういう人が立ち上げてなど、投資家はいろいろな情報を知りたいもので、そうしたニーズに答えるべくこういったサイトは無数にあります。

なお、stand.fmはRadiotalkやVoicyと違い、決算情報は書いていません。しかし、ある興味深い情報を見つけました。

従業員数推移という項目が掲載されているのですが、このサイトでは定期的にウォッチしているようで毎月の推移がわかります。

そこになんと驚くべきことに、stand.fmが直近で一番多い時で、今年の2月には33人なのですが、10月には24人になっているのです。それなりの人数が減っているように見えませんか。

パーセントにすると25%、4分の1の人がいなくなってるということ。

例えば、音声配信大手のSpotify。最近の海外のIT企業はレイオフをすることで話題となっていますが、Spotifyも大胆に解雇しています。今年の1月の記事によると600人解雇。ただ、割合で見てみますと、従業員の実に6%に過ぎないのです。ですから、そう考えますとstand.fmが9人減っている、25%減というのはけっして少なくない、と。けっこうインパクトのある人事に見えるのですよね。

そしてその傾向が、今年の6月から、減少トレンドがずっと続いてるのです。つまり補充されていません。ですからこのままいくと11月には22人とか21人とかになるかもしれなのです。Spotifyも含めた競争がまだまだ続く音声配信業界においては、少し心配になってしまいます。

ただ、今までもそれくらいで回してたのかも、という声もあるかもしれません。たしかに実際、Radiotalkは従業員数は8名。Voicyはたしか40名ほど。ですので、そういう意味ではstand.fmの規模からすると、まあ順当なのかもしれせません。

しかし、9人減ったというのは、あるる意味1チーム丸ごといなくなったくらいの数字のインパクトがあると思うのですよね。残った人の士気にも影響すると思うのですよね。

ですから余計に、あまり儲からないプラットフォームの方に割いていた人員はもうそのまま補充しない、となっても自然かなと。儲かるであろうより利幅の多いところにリソースを集中するっていうのは経営判断としてはあり得ると思うのです。

かつては、stand.fmはアルバイトを募集していました。ですが今はエンジニアやマネージャーの募集が出ています。報酬も、おそらく以前より少し値上がりしてる気がします。それくらいエンジニアは欲しいとは思っていると思うのですよね、エンジニアであれば。

Wantedlyという有名な求人サイト、ここでもstand.fmのページがありますが、募集欄はもう募集がありません。いわゆる良い人がいれば取るけどみたいなニュアンスを感じます。それってやっぱり法人向けサービスが重要視しているから、だと思うのですよね。

***

3つ目。

これはstand.fmに限ったことではありませんが、クリエイターエコノミー全般に言えることだとは思うのですが、もう技術的に頭打ちになってきたのでは、ということです。

例えば、Radiotalk昨日、公式ツイッターで次のようなことをつぶやいていました。メンバーシップ開設の募集をするイベントをする、と。そう、Radiotalkもついにメンバーシップ機能を実装とのこと。

少し前に、SpotifyでもPatreonという海外の課金サービスと連携し、メンバーシップ機能を実装するということが話題になっていました。

このように、いわゆるクリエイターエコノミー全般で、プラットフォームのクリエイターの囲い込みの機能や技術としては、ほぼほぼ出そろった、と言えるのかと。どのプラットフォームもほぼ同じ機能を持っているっという状態になってしまているのが現状なのです。

stand.fmは、音声配信の中では収益化について一番早く様々な機能実装をしてきました。そしてついに先日も、広告の収益化についても実装を発表。ですので、機能としてもうフルフルマックスある状態と言えるかと思うのです。

まああと実装するとしたらプレイリストと、それからボイスギフトといって特定の人にボイスのメッセージを有料で配信できるとかくらい。または配信者向けにホスティングとして有料サービスを提供するといった、例えば、有料のカテゴリー作るなど、そういうところくらいしかないのですよね、新しい最新のテクノロジーとしてのアップデートは。まああとは、AIとかはあるかもしれませんが、それでもほぼほぼ実装している感はあります。

そして他のプラットフォームもほぼ実装しています。Voicyでもライブは出来ます、有料エピソードも出来ます・・・。というように、どこもほぼほぼ機能になり、似かよってきてしまっているのですよね。これは、音声配信に限らず、ツイッターにも広告収益が追加されたり、インスタにもメンバーシップができたりなど、本当に様々なプラットフォームがクリエイターの囲い込みのための機能をつけきっているのが現状なのです。

その点では、何か1個の機能を実装したとて、囲い込みがものすごく促進されるわけではない、ものすごく収益があるわけでもない、だとするとそこにリソースを割くのはあんまり得策じゃない、となることは自然です。

もちろん現状、stand.fmは、例えばオリジナルの番組を招聘したり、トップページのバナーのデザインや訴求を変えたり、など変えていないわけではありません。テクノロジーを必要としないまでも盛り上げるという機能については、できる範囲で改善やアップデートはしている、そんな印象を受けます。エンジニアの人を使うほどではないけども、ユーザーさんを離脱させないためには、やっておいたほうが良いに決まっています。

ただ、どのプラットフォームもほぼ似たような機能が実装し始めてきているので、機能追加やアップデートという規模感で、これ以上追加しても・・・という経営判断があってもおかしくない気はします。

***

ですので、stand.fmに限らず、多分どのプラットフォームでも今後は、人や企画がより注目されているフェーズになっていくのではないか、と思うわけです。実際、Amazonが運営するAudibleでは、芸能人に、村上作品など人気作を朗読させて、TVCMもバンバンうつ、といったコンテンツ寄りの戦略を明確に打ち出してきています。

これからは様々なコンテンツに注目が集まり、細分化は進んでいくのでしょう。ただもちろん有名な人が多く参入するか、という点は未知数です。ただstand.fmで言えば、広告配信なども実装されましたので、有名人が気軽に稼げるようになったと認知されれば、Voicyではなくstand.fmで音声配信を始める人も増えていくかもしれません。それこそそこに技術的なアプローチはそれほど必要ないのです。どれだけ多くの建付けを考えるかや、マネーを潤沢に回すか、ということかと。

というわけで、新たな局面を迎えつつある音声配信。

これからも、クリエイターエコノミーニュースは注目をしていきたいと思います。

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